ていじゅさん主催のワンロムカップに参加しました。なんと全勝し優勝できました!
僕の使ったPTは以下の6匹です。
主催のていじゅさんのブログはこちら
【事前考察】
導入
1ROMカップ、いつも通り考察から始めることに。
大会ルールは少々複雑なため、詳細は上記のブログを参照ください。
簡潔に言うとオメガルビー、もしくはアルファサファイアのソフトどちらか1本を選び、そのソフト内で完結できるPTのみ使えます。
(等が使用不可、の同時使用不可、一部ポケモンの隠れ特性や遺伝技の使用不可など)
考察
このルールの本質はソフト選択というよりは先ほど挙げたポケモンのいない環境でより輝くポケモン、PTを探すことだと考えました。
その上でメガバクーダ、メガクチートなどの強力なメガシンカ枠を有するトリパは間違いなく最有力候補だろうと予想。加えてランドロスが環境にいないため、代わりの威嚇を兼ねる範囲打点としてメガボーマンダ軸も有力でしょう。
上記にそれなりに優位性があるメタとして手動雨+メガラグラージあたりも一定数いるでしょうか。メガ枠ではありませんがエルフーンテラキオンの叩きの並びもギミックに取り入れているPTもありそうです。
僕自身バクーダトリパを使い慣れている+今大会のトップメタとして君臨しているため、使用を検討していましたが、ミラーによる同速のS調整チキンレースや立ち回りのミスを咎められたくなかったため、違うPTを考えることにしました。
トリパに厚く、マンダに強くでれて、雨ラグへ不利を取りにくいそんな構築があるはずなんて・・・・・
ありました。というわけでサーナイト軸でPTを作ることにしました。
お詫び
→その後の考察でサーナイトを使うと、このルールで強いヒードランが非常に重くなることが発覚し、トリパへの耐性とトレードオフにはなるものの、パワーの高いメガボーマンダ軸に変更することになりました。
・・・ ごめんよ・・・
【PT構築】
①プロトタイプ
スタートはサーナイトのハイボ+トリル+封印がトリパへの明確な回答といえることから、そこに肉付けしていくことにしました。当然鋼、特にヒードランやクチート、クレッフィなどはサーナイトで相手取るには少々厳しいです。
ここでガブリアスを採用することに決めました。サザンドラやメガサーナイトよりも速く、電気の一貫を切りつつ、地震や雪崩で負荷をかける役割として優秀で、特性の鮫肌により猫騙しを受けにくく、マリルリやクチートなどの不利な相手にも接触攻撃に対してスリップダメージを稼ぐことも出来ます。
サーナイトとガブリアスだけではクチート、ニンフィアを含むフェアリー耐性が薄すぎるため、唯一のフェアリー1/4の耐性を持つヒードランを採用に至りました。これによりフェアリーへの繰り出し性能の向上、対晴れへの圧力が付与されました。3ウェポンもしくは身代わりを入れての運用になるでしょうか。
スペックの高い追い風要因として猫騙しの効かないフェアリー耐性のあるクロバットに白羽の矢が立ちました。対角を対処できるブレバも、搦手を防げる挑発も優秀でクチートの不意打ちやマリルリのアクジェにもファスガで対抗できる点も評価できます。
威嚇枠はバクーダ、ヒードランに打点が持てて、数値がそれなりに優秀、凍える風や吠えるなどの小技も使えるギャラドス。
猫騙し枠には炎耐性があり、ワイガ(を覚える)、フェイントが使えて火力も出るハリテヤマに決まりました。
これでプロトタイプの完成です。
②修正版
ギャラドスは基本的に単体打点しか出せない上に挑発の役割もクロバットと被っています。バクーダ側にトリトドンが採用されている場合、まともに打点を通すことはできないため不採用としました。代わりにスキルスワップで広い範囲の補助ができて、メガラグ入りの手動雨にも日本晴れで切り返せるクレセリアを採用しました。
この時点でPTから威嚇が消えたために、ハリテヤマの枠を猫+フェイント+ワイガを持つ唯一の威嚇持ちであるカポエラーに変更することにしました。
③完成版(ではなかった)
変更点は
クロバットの採用理由がフェアリー耐性のある追い風という割にクロバットからニンフィアやクチートへの打点もないことと、叩き相手への立ち回りがシビアだったため、トゲキッスに変更。
熱風を採用することで晴れと天の恵みの両シナジーを受けられるようになったのと、厳しい相手でもエアスラ怯みによる誤魔化しが出来る様になったことが強みです。存在するかは怪しいですが、ホロウビアルにも耐性つきます。
④最終決定版
変更点は
③の暫定完成版はPTとしてそこそこやれるものの、サーナイトガブリアスではワイドガードに引っかかるポケモンが多すぎるのがネックで、何より威嚇+ヒードランへの立ち回りが相当窮屈だったため、一目で特殊と物理で判断がつきにくく、サザンドラに素早さで上回れるボーマンダを軸に変更しました。ドラン突破のために物理型の地震持ちになりそうでしょうか。
サーナイトからボーマンダに変更したことによってガブリアスのままだとフェアリーの通りがぐんと良くなってしまうため、ここをメタグロスへ変更。物理マンダへの天敵である威嚇への耐性も素晴らしく、先制技も自然に採用ができます。紆余曲折を経てようやくPTが完成しました。
【個別紹介】
ボーマンダ
ASぶっぱ、めめしいHBD振り分け。
サーナイトに代わってメガ枠として採用された3世代の覇者。
見た目で特殊と物理の判別がしづらく、メガシンカ前でもサザンドラより速いこと、ワイガをくぐれるすてみタックルが優秀なことを買って採用しました。
単体でニンフィアやサザンドラを処理できるすてみタックルをメインウェポンに据えることにし、物理にする以上、ドランを処理できるじしんは確定。メガ枠としての場残りのため まもるは切れず、最後の技枠はミリ耐えしたポケモンを掃除したり、火傷状態でも最低限仕事できるようハイパーボイスを採用しました。
想定通り相手のワイガを誘発したり、トリパのブルンゲルをワンパンしたりと、火力と型の読まれにくさが活かされる場面が多く、使い勝手はよかったです。おいかぜは後述のトゲキッスが使えるためボーマンダで押したくなることはありませんでした。
ヒードラン
CS極振り(当日はDではなくHに4振ったH167の個体を使っています)
このルールでおそらく最強のポケモン。あらゆるスキンに耐性があり、全体火力としても申し分ないです。普段なら警戒すべき霊獣ランドロスもいません。
技は身代わりも候補ですが、このPTはトータルで見た時に全体技の比率が高く、ワイドガードをくぐり抜けるための一致技があったほうが安定すると感じたため3ウェポンになりました。
結果的にラスターカノンが輝く場面が多かったため、この選択は正解でした。
クレセリア
HP:16n、準速ドラン抜き(自分のヒードラン)残りD
このルールで最強のヒードランと縦、横の相性がとても良いポケモン。
トリックルームへの切り替えしや、相手の追い風をいなすなど主にターン稼ぎとして優秀な役割を果たしてくれました。
PT全体が中速に寄っているため、追い風のミラーにも有効なこごえるかぜ
相手のトリルや追い風への切り返しでトリックルームの採用に至りました。
相手のスキンや力持ちの奪取、威嚇の再利用、味方のドランを浮かせるなど幅広い用途で使えるスキルスワップまではすんなり採用でき、残りの1枠はドランやキッスの熱風の火力を上げつつ、手動雨への回答になるにほんばれを採用しました。
結果的に日本晴れは使いませんでしたが、ドランとのS関係がしっかりしていてスキルスワップやこごえるかぜもなかなか使いやすかったです。
エスパー技はCに振ってないクレセリアだと枠を圧迫するだけだと思い今回は切りました。上の技を切ってまで押したいシーンは特にありませんでした。
メタグロス
S-1無補正メガボーマンダ抜き
A:メガボーマンダをれいとうパンチで中乱数(56.3%)
B:珠陽気ガブリアスのダブルダメージ地震耐え(~97.5%)
メガクチートの特化ふいうち最高乱数以外耐え
D:珠控え目ヒードランのダブルダメージねっぷう耐え(~92.6%)
おそらくヒードランを除くと唯一と言っても過言ではないまともな鋼枠。
メガボーマンダを採用する以上、そこに対抗できる駒を用意しないとニンフィアやサーナイトにS操作をされた時点でゲームが終わってしまうため、それらに安定して繰り出せつつ、サイクル戦でのダメージレースに優位に立ちやすいポケモンとしてはメタグロスが適任でしょう。
後投げが基本なため持ち物はとつげきチョッキ一択で、技もこの4つで完結しています。
実際、対戦中も望む通りの活躍を見せてくれて、高い耐久からしっかり相手に負荷をかけてくれました。
本当はムーブ択を増やすためにトゲキッスよりもSを1上げたかったのですが、耐久面と火力面のいずれも削ってしまうと仮想敵への乱数がズレるためここは諦めざるを得ませんでした。
トゲキッス
S-1無補正メガボーマンダ抜き(上のメタグロスと同速)
C:クレセリアのこごえるかぜ2回+エアスラッシュでメガボーマンダ、ガブリアスを落とせる。
ダブルダメージねっぷうでメガクチートを高乱数2(72%程度)
冷静メガバクーダのふんかをオボン込み2耐え
臆病珠ヒードランのラスターカノン最高乱数以外耐え
マンダグロスクレセドランの4匹で窮屈なエルテラやホロウビアル、サザンドラへの耐性と、トリックルーム軸のPTへの誤魔化し性能を兼ね備えたポケモン。
特にこのゆびとまれが偉く、相手の味方強化用のいばるを吸ったり、サザンドラからボーマンダを守るのにとても活躍しました。
ねっぷうは相手のメタグロスやクレッフィ、クチートに打点を持ちつつ、てんのめぐみ、日本晴れなど、このPTで様々なシナジーがあったためマジカルシャインよりも優先して採用しました。
カポエラー
最速、控え目メガボーマンダのダブルダメージハイパーボイスを50%で耐える(絶える)。
猫騙し、フェイント、威嚇を全て持つポケモンはこのポケモンしかいないため採用。
この大会だとカポエラーミラーが多発することが予想され、特にトリルのカポエラーにSで負けると行動が大きく制限されるため最速。Aに振っても威嚇や相手の調整次第で仮想敵への打点が大きく変わるため、Hに振り切り最低限の耐久を確保しました。
周りが高耐久かつ火力に優れたポケモンに囲まれており、大概は脱出ボタンで退場するため、このポケモンの耐久を削ることにそこまで不便は感じませんでした。
技はワイドガードとてだすけを最後まで悩んでいましたが、ワイドガードはあっても読まれること、横取りやフェイントに怯えてそもそも押せないだろうと踏み、てだすけを採用しました。
結果この技がかなり活躍し、相手によってはワイドガードを警戒した動きもあったため、判断は間違っていませんでした。
おまけ
HB:雨下メガラグラージ滝登り耐え(~98.2%)
特化マンダA-1捨て身耐え(~82.8%)
無補正ガブのダブルダメージ地震ほぼ2耐え(~50.2%)
HD:特化珠ヒードランのラスターカノン低乱数(~102.2%)
C:無振りガブ、メガボーマンダをダブルダメハイボで確1
S:S-1最速メガボーマンダ抜き
構築のスタート。
環境的にニンフィアが多くのPTに存在しうること、トリパもそれなりの数がいることが予想できるのでトリル封印型での採用です。
火力は過剰になりすぎるので場持ちがよいように耐久に多く努力値を割いています。
フリーのボーマンダの前で動くときは威嚇がないと捨て身でやられてしまうことは常に意識したいところ。また有用なトレースを再利用するために初手引きをしたりなど、それなりにアドリブ力は必要です。
後述のクレセリアのこごえるかぜと合わせると抜ける相手がぐんと増えて格段に動きやすくなるので意識したいところです。
↑当初サーナイト採用の時に考えてたものを備忘録として残しています。
【対戦ログ】
1回戦 vs メカトルさん ⚪︎
ホロウビアル
初手爆発型のホロウビアルアンビシャス。
メガ枠はチャーレムのみなので一応警戒しつつ、本筋のケンホロウの辻斬りを倒させない動きをしようと思っていましたが、初手にトゲキッスを投げてしまい挑発をされてしまいます。
威嚇でアグノムの火力を下げ、爆発で相手のクロバットを退場させないようにしながらグロス、クレセ、キッスと地震を撃たせない並びを作るとワルビアルの雪崩がクレセ以外の2体に外れ、グロスの冷パンでワルビアルを落としつつ、雪崩を耐えたクレセがトリルを決めたところで降参をもらいました。雪崩の機嫌次第で負けていたので運がよかったです。
自分の脱出ボタンカポエラーの対角にいるエテボースではなく正面にいるクロバットを適切に処理していればケンホロウの辻斬りをトゲキッスで吸えたので、もう少し安全な試合運びができたと思います。
2回戦 vs DOVEさん ⚪︎
サーナイトスタン
自分の考えていた当初のPTにかなり近い構築。
選出段階からサイクル戦になることが想定され、実際文章には表現しづらい熾烈なサイクル戦になりました。
ただ、耐久を含めた総合数値は自分のPTの方が優っていることと、相手側の物理マンダへの回答がサザンのドラゴン技やS操作後のサーナイトのハイパーボイス程度に限られ、メタグロスへの打点も乏しいことから、こちら有利のサイクルを仕掛けられたことが大きかったです。
対戦中は無理に追い風を返さず、しっかりサイクルを回すことと、控えのポケモンを念頭に入れて一貫する技を振ることを意識していました。
とても良い戦いだと思うので許可あればBVを載せておきます。
DOVEさんが快諾くださいました。BV→9SSG-WWWW-WW66-EVSA
3回戦 vs 柊しげるさん ⚪︎
クチートトリパ
クチートクレッフィ+サマヨールブルンゲルのまさに純正のトリパにトルネロスを採用したトリッキーなPT。
相手に猫騙しがいないため、初手カポエラーのてだすけ+マンダの捨て身でブルンゲルを落としに、トゲキッスのエアスラでサマヨールを怯ませに行きました。
結果的にブルンゲルは倒せましたが、サマヨールは怯まず。しかしトリルではなく封印(トリル返しを防ぐ意図と思われる)だったため一安心。
その後サマヨールにトリルを展開されるものの、ニンフィアの(おそらく)めざ地やクレッフィのクチートへのいばるをトゲキッスのこのゆびとまれで吸いながら殴り切って勝ち。綺麗に噛み合った試合でした。
決勝戦 vs リッチまつりさん ⚪︎
チルタリススタン
テラキオンはいないがエルフーンのみ採用されている少し異色なPT。ゴチルゼルがかなり面倒くさそうです。
初手霊獣ボルトのめざ氷でマンダが落ちると最悪なのでカポエラーで猫騙しをしながらハイボで攻めると、まさかのエルフーンから悩みの種が飛んできてボーマンダが機能停止してしまいます。しかも上手くムーブされ中央にゴチルゼルが来たことによりカポエラーがバック出来なくなってしまいます。
その後エルフーンと霊獣ボルトロスを処理するものの、追い風がフルに残った状態でチルタリスとヒードランが出てきてかなり劣勢に。
ボーマンダが倒された後、上手く読みを通してカポエラーのフェイント+ヒードランのラスカノでチルタリスを倒すことができました。
その後動きが噛み合い、メタグロスのアイヘでムーブしたカポエラーを倒し、追い風で素早さ負けているこちらのヒードランが挑発をされていたため仕方なく大地の力を押したら、相手のヒードランの身代わりを割ったところで降参をもらいました。
優勝は餅田コシヒカリ!
【総括】
余談ですが、餅田コシヒカリという名前でDSの名前とアイコンも変えて参加していたため、前の大会で戦った人はフレコ登録の際「なんでこんなやつフレンドにいるんだ?」と訝しげに見ていたらしいです。悲しい。悲しいのでこの構築は餅田スタンと名付けよう。
考察段階でも概ね満足のいく構築には仕上がっていたつもりですが、トリパ対策をキッスのエアスラとクレセのトリル返しに頼っており、最悪サイクルを回して耐え凌ぐというプランをとったため、挑発サマヨールなどに当たっていたら危険だったかもしれません。威嚇2枚なのでウォーグルの採用があるPTにも当たらなくて良かったです。
大会を通じて駆け抜けて軽トラの宣伝がたくさんできました。でも相方の名前は知りません。
改めてですが、運営のていじゅさん、対戦相手の方々、穏やかクレセリアを貸してくれたちゅーいさん、ここまで記事を見てくださった皆様、ありがとうございました。
これからもあちゅと餅田コシヒカリさんをどうかご贔屓によろしくお願いします。